鷹校祭こぼれ話〜かつて「紫団」がありました。

数年前まで、鷹校祭の団カラーには“紫”がありました。
本日、卒業式を迎えられた6期生は懐かしいのではないでしょうか。
現5年生が入学した年度から「紫団」は「緑団」へ変更されたのですが、
この“紫”、武蔵野の地にとっては特別な色でした。

昔、武蔵野(三鷹市、武蔵野市)の一帯には紫草(ムラサキソウ)が自生していました。その情景は古今和歌集にも詠まれています。

書道部のみなさんによる揮毫。このHPのために、鷹校書道部らしい、元気で迫力のある漢字仮名交じり作品に仕上げてくれました!

紫の ひともとゆえに武蔵野の
草はみながら あはれとぞ見る

この“紫”とは紫草のことです。

紫草。花は小さくて可憐な白色ですが、その根はとても鮮やかな紫色で、抗炎症の薬効があるといわれています。

江戸時代になると、
この紫根で染められた紫色が大流行し、“江戸紫”と呼ばれるようになりました。
ちなみに江戸紫はJISの色彩規格では濃い青みの紫。
歌舞伎に登場する助六のハチマキが有名です。
現在のスカイツリーの『雅』のライトアップも江戸紫なのだそうです。

こうして武蔵野=江戸紫となり、
鷹校でも団カラーに“紫”が採用されることに。
ところが!です。
「紫団(しだん)」と「黄団(きだん)」がとにかく聞き間違えやすい!
1点を争うような体育祭では困ってしまう、となり、
「紫団」の代わりに「緑団」が新しく登場したのだそうです。

広報委員会による広報誌『鷹校』。平成27年度版の表紙には「紫団」が健在ですね。

“むらさき”は武蔵野の各所で発見することができます。
「むらさき橋」もそのひとつです。

三鷹駅を起点とする「風の散歩道」の途中にある橋。最初に紹介した歌が名前の由来となっています。

「風の散歩道」とは、三鷹駅南口から井の頭公園の手前の万助橋に至る散歩道で、石畳の歩道やガス灯風の照明がロマンチックです。
ジブリのキャラクターの標識も見つけることができます。

ポカポカ陽気の日、家族で鷹校周辺や武蔵野一帯の散策をされてはいかがでしょうか。
“むらさき”の他にもいろいろな発見があることでしょう。


編集後記
数年前に、PTAサークル『三鷹散策の会』で風の散歩道を巡った際、元代表・五十嵐さん(6期生)から「紫団と紫草」の話をうかがいました。今回の記事はその話を元に取材・構成しました。
PTAサークルには『三鷹散策の会』とコーラス『こーる・あんだんて』があります。どちらも保護者が楽しめるステキなサークルです。改めて紹介したいと思いますので、お楽しみに。