前期:タブレット研究授業

今年度よりICTパイロット校に指定され、10月14日に前期生にタブレットが配付されました。タブレットやスマートフォンにも対応している授業・学習支援サービスの「Classi」や、学習管理システム「school Takt」がインストールされています。「Classi」は、学校・生徒・保護者間の情報共有や学習コンテンツなどさまざまな利用方法があり、タブレットが届いたその日にはすでに課題が出されていました!また、「school Takt」では、生徒の学習状況をリアルタイムに把握できたり、生徒同士の解答を共有することで「みんなで学び合う」学習環境を構築できます。

学校ではタブレットをどのように使用しているのか、研究授業を見学させていただきました。

11月21日月曜日、ICTパイロット校「授業公開」及び三鷹市・調布市の小中高合同研究会が開催され、教育委員会はじめ、たくさんの先生方がいらっしゃいました。
この日、タブレット研究授業として行われた、英語、数学、理科、国語、社会の5教科をご紹介します。

◆1年英語科「電話でのコミュニケーション」
他クラスとSkypeで通話(タブレット使用)し、自己紹介や待ち合わせの約束を
しよう。

①ログイン。 モニターにニックネームが次々とアップされる。
②ウォーミングアップクイズ開始。
③授業内の課題もタブレットから提出、その場で共有し、外国人の先生からも訂正
してもらえる。
④他クラスとSkypeで会話を実践。 例題を何度も練習した後、オリジナルの内容
で、他クラスの生徒と電話。

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今日の授業は教科書もなければノートもないけれど、実際の場面が想定しやすく、今すぐにでも役に立つ内容でした。ウォーミングアップクイズでは、答えを訂正できないようで、「あ、間違えたー」「えええーー」と声が上がり、まるでゲームをしているようにも見えました。Facebookなどの「いいね」のような意思表示を共有できる場面もありました。
先生と生徒のやりとりが簡単でかつクラス内共有が出来、さらにSkypeを利用した実践も可能なタブレット授業。ツールとしての強みをとても感じました。

◆2年数学科「確率」
①先生から配付されたプリントの問題を解く。
②グループに分かれ、それぞれの答えを確認しながらグループ代表の解答を決め、タブレットで写真を撮り先生に送信。(先生に送られてきた解答は全員で共有)
③各自のタブレットにて他グループの解答を確認し、わかりやすい解答に「いい
ね」を押す。
④「いいね」の多い解答を先生がプロジェクターに映して解説。

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「いいね」がいくつ押されるか、生徒同士ドキドキ感もあり、楽しそうな授業でした。「いいね」だけでなく、「わからない」などのコメントも入力できるので、誰がわかっていないのかなど、先生にも生徒の反応が瞬時にわかるのはとてもいいと思いました。また、そのままタブレットを持ち帰るので、家で復習する際にも一人ひとりが解答を確認できるのも利点!

◆2年理科「イオン」
テーマ:
塩化銅水溶液・塩化水素水溶液の透明な水溶液の中には何が含まれていて、それ
はどんな性質をもっているのか考えよう。

導 入:
前回の振り返り
事前に先生から「Classi」に、今回の授業で行う実験の概要を、確認事項として
配信。
各自タブレットにて前回の実験前・実験後の写真を見ながら、グループごとに振
り返り。
①各グループ(4人)、1~4番に分かれ、番号ごとに実験を行い、実験前・実
験後の写真をタブレットで撮り、school Takt」に送信。結果の考察を行う。
②元のグループに戻り、それぞれが行った実験について、各自のタブレットで
アップされた写真を見ながら教え合う。
③グループ内で4つの実験から課題についての考察を行う。

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自分が実験していなくても、実験前と実験後をすぐに写真で確認することができ、授業に無駄な時間が少しもないことに驚きました。また、実験している時も、それぞれが主体的に取り組んでいる姿に感心しました。「いい話し合いをしていますね」と他校の先生から声をかけられている生徒もいました。

◆3年国語科「古典に親しむ」
テーマ:
古文における疑問表現と反語表現を判別しよう

導 入:
前回の振り返り
前回のレポートや感想をタブレットに配信し、生徒間で共有。

課題設定:
文脈判断以外に判定方法はないか?
初見で限られた時間内で判別するには?
クラスの答えを作り出そう(25分のグループワーク)
①ノートと教科書を駆使し、気づいたことを班で共有し、答えに近づく。
・各班をまわる先生は、ヒントになる質問はするが答えは言わない。
・分かった班へ聞きに行ってもOK。あくまでも生徒間で答えを出す。
・分かった生徒は、他者へ分かるように説明する。
②班ごとに参観の先生方にプレゼンし、納得させる。
③各自の答えを「school Takt」で提出。

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先生と生徒の関係は、先生対各生徒という受け身の一対一ではなく、互いにつながり、学び合う関係です。「わかってきた!」という時、生徒の目はきらきら輝きます。その瞳の輝きが教室中に伝播していくのがわかりました。
生徒が主体的に学ぶ様子を見て、知る喜び&共に学ぶ仲間のいる喜びを共感できる授業だと思いました。

◆3年社会科「研修旅行の事後学習」
テーマ:
11月8日~11日の研修旅行で得た成果を、ARとパワーポイントで発表し、「京
都」の歴史的役割は時代につれてどのような変遷を遂げてきたのかをまとめる。

AR(Augmented Reality 拡張現実)とは・・・
現実の世界にデジタルの情報を重ねる技術のこと。ゲーム「ポケモンGO」で一般
に広く知られています。

3年生は研修旅行にあたり、ARの技術を使い、京都の歴史的建造物の観光案内を作りました。現地に行けば、スマートフォンやタブレット端末で誰でもその映像を観ることができます。← ICTパイロット校としての大きな試みです!

①AR用に作成した映像を発表。
カメラワークを駆使し、紙芝居やコントを交えた編集がおもしろく、見ている人の笑いも誘う映像でした。各班それぞれ、対象物の魅力をどうやって伝えるか試行錯誤しながら作成したそうです。
②パワーポイントを使い、時代ごとの京都について発表。
③各班の発表を元に、先生が京都の歴史的な流れを生徒に確認、解説。

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先生と生徒双方向からの授業はとても内容が濃く、映像は印象に残るものでした。この50分で京都を大いに知ることができました。

どの授業も、「私たちもこんな授業を受けたかった!」というものばかり。取材として授業を見学させていただきましたが、取材を忘れて楽しんでしまいました(笑)。
タブレットで情報や解答を共有したり、「いいね」などのコメントを入れたりと、1カ月で生徒達がかなり使いこなしている様子がうかがえました。使い方は無限に広がっているので、今後どの様にタブレットを活用していくのか、ますます期待が寄せられます。