令和元年度 第5回 卒業式が開催されました

令和2年3月7日(土)、令和元年度 東京都立三鷹中等教育学校 第5回卒業式が開催されました。

第5期生150名の卒業生の皆様、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。卒業生の皆様には、入学してからの6年間に数えきれないほどのたくさんの思い出ができたことでしょう。

お一人お一人の門出を心よりお祝い申し上げ、ここに卒業式当日の様子をご報告いたします。

 

【卒業式前のクラスの様子】
どのクラスもリラックスした雰囲気でした。



 

【式次第】


 

【卒業生入場】
150名の卒業生が胸を張って入場しました。


 

【卒業証書授与】
山本副校長先生による開式の辞、国歌斉唱に続き、卒業証書の授与が行われました。

クラスごとに担任の先生が一人一人の名前を呼び、呼ばれた生徒は力強く返事をしながら起立していきました。最後に生徒を代表して6年A組の生徒が校長先生から全員分の卒業証書を受け取りました。



 

【校長式辞】

「卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

今回の卒業式は、保護者の皆様、ご来賓の皆様には断腸の思いでご臨席をお控えいただき、卒業生と教職員のみの式となりました。しかし、立派に、そして毅然として卒業式に挑む卒業生を誇りに思うとともに、ご臨席いただけなかった全ての方々に、この雄姿を報告したいと思っております。

6年前の春、期待と不安を胸に本校に入学した皆さんは、本校5回目の卒業生として立派に巣立っていきます。6年間の学校生活の中で、多くの友と出会い、勉学はもとより学校行事、部活動、ボランティア活動、それぞれにひたむきに取り組んできました。人生の中でもとても貴重な時間だったと思います。

さて、この6年間、世の中では様々なことが起こりました。ほんの一例を挙げてみます。

まず、毎年のように相次いで発生した集中豪雨や地震による災害には本当に心を打たれました。一刻も早い復旧を祈るばかりです。

一方、ノーベル賞を6年間で多くの日本人が受賞し、研究活動の偉大さやそれぞれの人物のすばらしさを学ぶことができました。

また、入学する前年に招致が決定した、東京オリンピック、パラリンピックを契機に、皆さんが入学した後閉鎖されたスポーツの聖地とも言われる国立霞ケ関陸上競技場が、今年の1月新たなオリンピック国立競技場として完成しました。

昨年は改元があり新たな時代の幕が開かれました。

今年に入ると新型コロナウィルスにより、あらためて目に見えないものへの恐怖、対策の難しさを目の当たりにしました。

このように、良きこと、悪しきことが様々な分野でたくさん起こりました。

未来に目を向けると、グローバル化、情報化が一層進んだいわゆるSociety 5.0の世界が待ち受けています。社会や経済の改革は一国のみでは成し得ず、課題の大きさや解決の困難さも今よりまた拡大し続けるでしょう。

このような中、皆さんはその個性を発揮し、国境や文化の枠を超えて、多くの仲間たちと一つ一つの壁を乗り越えていってほしいものです。近い将来、社会に貢献できる知性豊かなリーダーとして大いに活躍してください。

胸は祖国に置き、眼は世界に注ぐ。その精神を基に、それぞれが志を完結する願いがあります。いつも卒業生にはなむけとしている四書五経の一つ、大学の一節を贈ります。

『まことに、日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり』

新しい一日を迎えるたびに自分自身を向上させる。毎日毎日それを繰り返す。日が新たになるたびに、自分も新しくなる。高みを目指して日々新たな努力を重ね、自ら先へ先へと進んでいくことを奨励した一節です。記憶にとどめておいていただければと思います。

結びにこの卒業生に関係するすべての方々に心から感謝申し上げ、式辞といたします。」

 

【在校生送辞】

卒業生はいつでも後輩たちの理解者であり目標であったこと、部活動では後輩を引っ張ってくれる存在でいつも明るく優しく接してくれ、ときにはライバルとして切磋琢磨したこともあったこと、学校行事では常に後輩たちの一歩先を行き、合唱祭、文化祭など準備から最後の最後まで全力で後輩を鼓舞してくれ、困ったときには手を差し伸べてくれたことなどを語りました。

また、勉強、部活動、学校行事すべてに前向きに取り組む姿に大きく感銘を受けたと述べていました。

「先輩方に少しでも近づけるようにこれからもたゆまぬ努力を続けていきます。先輩方が築いてきたこの学校の伝統を継ぎ、さらなる発展を目指してゆく覚悟です。」という頼もしい言葉を贈りました。

 

【卒業生答辞】


三鷹中等で楽しく過ごした6年間の思い出を丁寧に振り返りながら、悔しいときも嬉しいときもいつも先生方が温かく見守ってくださったこと、また友達や家族が支えてくれたことへの感謝を語りました。

「表にはあまり出さないけれど、みんながみんなのことを思い合っている、そんな素敵な学年でした。この5期生で今日卒業できることが誇らしくて幸せでいっぱいです。」という言葉に、6年間様々なことを共に乗り越えてきた仲間との強い絆が表れていました。

「これから歩み始める前途にたくさんの課題があろうとも、三鷹中等で過ごした6年間を胸に、その待ち受けている困難な課題に立ち向かい、これからも一層邁進します。」と頼もしく述べていました。

「三鷹中等で過ごした6年間は何にもかえがたい、かけがえのない宝物です。今日まで支え合い、高め合ってきた5期生のみんな、たくさんの愛をくれた先生、そしてこの学校、ありがとうございました。」

ときに声を震わせながら心をこめて語ってくれた言葉に呼応するように、多くの生徒が涙していました。

【校歌斉唱】
最後に、全校生徒で校歌を斉唱しました。指揮、伴奏はともに6年生です。



 

【卒業生退場】
閉式の辞の後、卒業生退場のアナウンスとともに先生方が全員走って来られ、花道を作ってくださいました。これが三鷹中等の先生方の温かさなのでしょう。

笑顔でいっぱいの生徒、誇らしげに胸を張って歩く生徒、涙をぬぐいながら歩く生徒・・・それぞれの表情での退場でした。



 

【退場後昇降口にて】
入場の時には貼られていなかった先生方からの温かいメッセージが掲示してありました。生徒たちは感激した様子で、長い時間見入っていました。


 

【卒業式後のクラスの様子】
各教室に戻って、担任の先生から、一人一人、卒業証書と記念品を受け取りました。また、担当の生徒が全員に記念のタスキを配っていました。

先生と卒業生たちは式とはまた違うリラックスした和やかな雰囲気で、卒対委員の作成したDVDやPTA作成のDVDを鑑賞していました。


 

【クラス担任の先生方】

A組
B組
C組
D組

 

【卒業記念品】

 

5期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今後の益々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

令和2年度PTA学年委員選出について

日頃よりPTA活動にご理解・ご協力ありがとうございます。 例年通り、事前アンケートを実施いたしますので、ご協力をお願いいたします。 次年度保護者会にて決定いたしますので、メールメイト配信のアンケートで3月25日(水)までにご回答ください。 お忙しいと思いますが、皆様の立候補を心よりお待ち申し上げます。 候補者がいない場合は、話し合いを行い、決まらなければ抽選になる場合もございます。保護者会を欠席された 方や、アンケート未回答の方も対象となりますので、必ずご回答くださいますようおねがいいたします。

令和2年度PTA学年委員選出 2年以上 (1)

 

PTA文化事業「心の栓を開けてうたってみよう~Open Your Heart~」が開催されました

お正月気分も抜け三学期が始まった最初の土曜日、令和2年1月11日に、PTA文化事業「心の栓を開けてうたってみよう~Open Your Heart~」が開催されました。

「トークと実践で学ぶコミュニケーションツールとしてのうた」 講師は、シンガーソングライター・ボイストレーナーの狩野菜穂さんです。藤野校長先生の挨拶のあと、菜穂さん~nappoさんの自己紹介とともに楽しいトークが始まりました。

nappoさんは、京都府生まれ山口県育ち。小さい頃から歌が大好きでいつも歌っていたそうです。ご両親も歌好きで、お母さまと共に歌い、お父さまには発声の基本を厳しく教わったそうです。
高校受験は、歌いたいという気持ち一筋に、バンドを組めると情報のあった進学校を目指し見事合格を決めたそうです!「無理かもしれない…と言われると俄然燃える性格」はずっと変わらないとおっしゃっていました。
学生時代のお話は保護者にとって懐かしさ満載、皆さん笑いがとまりません。

ここからは、来場者全員立ち上がってストレッチ開始です。まずは姿勢が大事。肩幅に足を広げ「すっ!と真っ直ぐ」に立ちます。胸が開かないと良い声は出ない!とのこと。
nappoさんが校長先生の姿勢の良さを褒めます。校長先生は保健体育を専科としていらしたので体幹が鍛えられているのでしょう。

生徒たち数人が、ネクタイを外しシャツの裾をズボンから出し、動きやすい体勢を整えます。
⦁ 頭の上で手を組み、上に真っ直ぐ伸ばす。右に倒す→左に倒す。
⦁ 手を背中側で組み、ひっくり返す→体を前に倒す。
この動きで肩周り・胸周りをほぐします。

ボイストレーニングでは、
⦁ 息をたくさん吸ったら、同じ量を力強く吐き出す。
⦁ 息を吸って‟口を閉じて”息を吐きだす。あら不思議「ん~」と自然に音が出ます。
⦁ 今度は口を開けて息を出します。「あ~」と会場に音が響きます。

すかさずnappoさん「そうなんです!歌えない人なんていません。息を吸って、口を開けて息を吐きだすだけで音は出るんです!」と嬉しそうに話します。
今回のサブテーマ「Open Your Heart」の意味がちょっと分かった気がします。校長先生もおしゃっているように、恥ずかしがらずに、殻を破って楽しめばいいんです。

さあ、ストレッチ、ボイストレーニングをした後はいよいよ歌に声を乗せ、皆さんで歌ってみましょう!
今一度姿勢よくまっすぐに立ち「愛をこめて花束を」と「宿命」のサビの部分を、nappoさんのリードで歌います。

拍手!気持ちいいです、身体も心も温まりました。
この2曲を選んだ理由は何だと思いますかと、nappoさんが皆さんに聞きます。
一つ目は「気持ちがいい」からです。ストレッチをしボイストレーニングをした後は、驚くほどよく声が出ます。本当に気持ちのよいことです。
二つ目は、この2曲ともにリズムが楽しいから。リズムに乗り歌うことは、我を忘れます。
そして三つ目は、普段は口にする事がない歌詞を声に出して歌えるからです。「笑わないで受け止めて 本当の私を」「いつまでも そばにいて」…確かに普段は言葉にはしないと皆さん納得しています。しかしそれをあえて声に出して歌うこと、心をこめて歌うことで、歌ははじめて相手に届くそうです。清々しい気持ちになっていきました。

楽しい時間は本当にあっという間に過ぎていきます。
最後は、nappoさんが立ち上げた「南相馬&杉並トモダチプロジェクト」のテレビ取材のスライドを見せていただきました。

nappoさんは歌手としてデビューし、これまで沢山のアーティストへの楽曲提供やCMソング制作で活躍しています。子育てをしながらも精力的に活動する中、平成23年に東日本大震災が起きました。現在19歳になる息子さんが10歳の時のことでした。復興支援ボランティアとして歌をうたいに被災地に通ううちに、子供たちへの歌とダンスのレッスンを行うようになり「みんなのうた」を制作しました。その後、南相馬と杉並の子供たちを歌とダンスで繋ぐ「南相馬&杉並トモダチプロジェクト」を立ち上げ、平成28年には南相馬市に住所を移し、昨年、(株)LITTLE STARを設立しました。

スライドの中の子供たちは、生き生きと歌っています。レッスンのたびに会い、それぞれが帰るときにはまたね!と元気に言葉を交わしていました。真剣に取り組み励ましあい、ステージで笑顔で歌い踊る姿を見ると、様々な思いが交錯し涙があふれてきました。子供たち皆が、それを見守る大人たちが、一緒に歌い踊ることが大好きで、nappoさんが作ってくれた新しい出会いに心からの信頼と感謝の気持ちを抱いていることが伝わってきました。
nappoさんが、スライドの曲に合わせて歌います。子供たちの歌声と重なり、美しく広がっていきました。

宮内PTA会長からの花束贈呈とお礼の言葉により、PTA文化事業「心の栓を開けてうたってみよう~Open Your Heart~」は終了となりました。保護者約50名、本校生徒10名、小学生連れの方々も数名の参加で大変盛り上がりました。
生徒たちは、発声のより良いコツを教えてもらいにnappoさんから指導を受けていました。

ある3学年委員の方は、お子さんが小さい頃からnappoさんのレッスンを受けているそうで、今回のPTA文化事業の案となり実現したそうです。ストレッチで姿勢も良くなり、歌うことの楽しさを堪能することができました。3学年委員の皆さま、素晴らしい企画をありがとうございました。

狩野菜穂さんプロフィール
広島大学教育学部卒業。音楽ユニットTajaとして機動戦士ガンダムのテーマソングや挿入歌、また柴咲コウ、AAA、水樹奈々、ワルキューレ、King&Prince(菜穂名義)他、アーティストへの楽曲提供やCMソング制作などでも活躍中。
平成23年の東日本大震災を機に南相馬の子供たちと歌って踊る「みんなのうた」を制作。その後、杉並と南相馬の子供たちを歌とダンスで繋ぐ「南相馬&杉並トモダチプロジェクト」を立ち上げ、双方を行き来しながら同じ歌、同じダンスで子供達が一つの舞台を作り上げた。これまでに5回の本公演や、様々なステージを経て、平成28年より南相馬に移住。現在は福島浜通りを中心に「トモプロ」の活動をメインに続けている。令和2年3月に第6回公演を「座・高円寺」にて上演予定。