第4学年 宿泊を伴う防災体験活動の見学報告

平成29年6月23日(金)、24日(土)に消防署・警察署・三鷹市役所・地域の方々に見守られて、第4学年を対象に「宿泊を伴う防災体験活動」が行われました。

◇宿泊防災体験活動開講式 藤野校長先生より

2011年3月11日の「東日本大震災」で起きたことを心に刻んで、「自分の命は自分で守る」「まわりに困っている人がいないか、自分に何が出来るか」ということを考えながら、真剣に使命感を持って取り組んでもらいたい、というお話がありました。

◇講話「災害に対する心構え」 東京消防庁三鷹消防署警防課 日高係長より

藤野校長先生よりお話があったことを踏まえて、「自分が実際に体験したらどうなるのか?」という想像力を働かせ、自分に何が出来るのか考えながら動くことが大切、というお話がありました。

◇防災体験活動及び訓練

クラス別・班別に分かれて体験活動及び訓練が行われました。
① 消火器訓練・煙体験
「火事だー!!!」という大きな掛け声のあと、実際、火事の現場に出会ったときの消火活動を行いました。
消防署のご担当者からは、「いまは消火活動の訓練を行っていますが、実際に火事が起きたときには、火が天井まで届いたら諦めて逃げてください」「消防署として、火事出動は少なくなってきているが、逆に救急出動は増加している。消防署員が到着するまでの一時対応が重要なのでぜひ皆さんの力を貸してほしい」という具体的なお話もあり、みんな真剣に聞き入っていました。

② 給水ポンプの放水訓練
可搬式ポンプのエンジンを消防署の方の指導のもと動かしたり、炎に見立てた的にホースを向けて放水する訓練を行いました。想像よりもホースをコントロールするのが難しく、あらぬ方向に水がいき、びしょ濡れになるようなシーンも見られました。

③AED使用訓練、止血法・搬送法訓練、ロープワーク
事前に訓練を受けた生徒が指導者となり、人工呼吸・心臓マッサージとAEDを行いました。AEDの訓練に使う人形に名前があるのをご存知でしょうか?「Little Anne」という名前で、アメリカでAEDがなかったために助からなかったお子さんにちなんで無念の思いも込めて付けられたという興味深いお話がありました。
搬送法訓練では、担架の使用方法と、毛布を使って簡易担架のようなものを作って搬送方法を教えていただき、「友達を落としてはいけない」という緊張感が伝わる訓練となりました。

◇防災食調理体験準備・宿泊場所準備

調理班は、みんなで試食する乾燥米の準備をしました。大きな鍋にお湯を沸かし、一度に50人前の五目米を調理して、パック詰めを行いました。美味しそうな香りが立ち上ってくると、自然とお手伝いの人が増えてくる・・・という楽しい活動でした。
宿泊準備班は、宿泊場所となる北棟の教室に、段ボールを敷き詰めていました。階段を何度も上り下りして、運んでくる男子を見て、とても頼もしい気持ちになりました。いつまでも床が隠れないクラスを見てヒヤヒヤする場面もありましたが、食後にホームルーム委員が話し合い、段ボールを分け合って解決し、無事に宿泊場所の準備も整いました。

◇防災食体験(乾燥米試食)

1年のとき給食を食べていた懐かしのランチルームで調理班の準備してくれた乾燥五目米を試食しました。4年になった子供たちにはちょっと量が少なく、お替わりに我先にと群がってくる姿がとてもかわいらしかったです。

◇講話「震災時、私たちのすべきことできること」~震災時の行動を考える~
講師 武蔵野赤十字病院救命救急センター 勝見先生

講師の勝見先生は、阪神淡路大震災・地下鉄サリン事件・東日本大震災という未曽有の災害で医療スタッフを経験され、長野オリンピックパラリンピック・日韓FIFAワールドカップのスポーツドクターを務められました。現在は病院勤務と同時にFC東京のアドバイザーをされています。
子供達には「皆さんは医療救急チームの一員です。被災地に車で向かい3日間活動しなさい。さぁ、皆さんは個人・チームとして何を持っていきますか?」というミッションが与えられ、床に座ってのグループワークが始まりました。停電を想定し、リーダーがヘッドライトを点けその灯りの下で模造紙を前に話し合ったあと、代表者から発表がありました。
持ち物として、生活必需品・医療器具はもちろんのこと、「気持ちが折れそうになったときに励みになるから」と家族写真や、「生命力・根性・勇気・優しさ・思いやり・理性」など目に見えないものを発表するグループもありました。先生からは、「災害現場ではより多くの人を助けるために、厳しい判断を迫られる場面もあり、それを判断する勇気が必要」「災害時には、平時には想定できない事態が起こるので、その“狂い”を修正する竹のようなしなりのある柔軟性・失敗を修正する力が大切」というお話もありました。

4年生は、「積極的な女子に男子が引っ張られている」そんな印象をずっと持っていました。でも今日は男子がグループワークのリーダーになり、女子の随所の囁きアドバイスの下に発表したり、身体だけではなく心も逞しくなった子供たちと出会うことができました。最後のグループワークでは、持ち物に「思いやり」を複数のチームがあげ、最も鷹校生らしい姿を見ることができ、とても嬉しく思いました。これからの成長を見守っていきたいです。

投稿者:4年生保護者